【仕事/新卒】新卒採用は宗教じみている
ウワァァァアアアアアア!!!!
超絶かわいいよ!!!!御社ァアアアアアアア!!!
御社のこういうところめっちゃ好きだし、超ハイテクだと思うし、自分も御社で働きたいですゥゥウウウウゥゥゥウウ!!!!
御社で働いた暁には、業績伸ばして、社畜として一生つくします!!!!
だから私を選んでェエエエェエエ!!!!
イエェェェェェエエエエエエエエ!!!!
【目次】
量産型"新卒"
上記した内容は新卒が行う"新卒採用"へ対する私のイメージである。少なくとも私の時代はこのような感じだった。
"新卒採用"が今日のように宗教じみたのはいつごろなのだろう。
春を目前に控えると『これさえやれば大丈夫!パーフェクト新卒採用ガイド!』のような本が軒を連ねており、それを血眼になって眺める大学生が増える。
彼らは正気か?
いいや、正気は失っているだろう。
しかし"新卒採用"はある意味で正気を失い、自らに麻酔をかけ麻痺した感覚のまま、皆と同じであることをよしとする。
そうして生み出されるのはリクルートスーツを着こなし、髪を黒く染め、社会の淀みを経験していなさそうな"量産型新卒"である。
彼らはこれから一生をかけて社会を渡り歩くための第一歩を踏み出す気持ちと、はたして就職できるのか不安な気持ちでいっぱいだ。
お祈りされるメール文や、圧迫される面接に涙するのだろう。
ホント、宗教じみている。
ロボットのように正確な"ヘドバン"
そうして"量産型新卒"へジョブチェンジをし、企業が一同に会する合同説明会の会場へ押しこめられる。
右も左も似た者同士。
しかし、企業へ覚えてもらうためには早い者勝ちで座席の最前列へと座らなければならない。
最前列に座ったところで、好印象を与えなければならないプレッシャーと、このあとの質疑応答という唯一の"大喜利大会"でなにを発表すればいいかという気持ちで彼らの心はぐるぐるだ。
企業の説明なんて半分は聞いていない。
よほど落ち着きがあるやつなら聞いているかもしれないが、そういう奴はこの異常さに気付いて帰ってしまっている。
ようやくきた質疑応答も、緊張してカミカミのまま終わりを迎える。
すごいやつは質疑応答後の時間を使って社員とコミュニケーションをとってるぞ!なんてライバルがどうしているかを気にしながら次の企業を探し始める。
もはや、洗脳されたそれである。
御社大好きアピール(嘘を含む)
そうやって面接までたどり着けて、彼らはようやくスタートラインに立った気になる。
実際はスタートラインなんてないし、その先にはゴールラインもないのだけれど。
「わが社への志望動機はなんですか?」というありきたりで、糞つまらない質問にも丁寧に、慎重に、かつアピールをふんだんに盛り込んで答える。
「はい!私が御社を志望した理由は!」なんて大声でしゃべりながら、その異常性に、その昂揚感に、すべてを任せて。
頭には自宅で練に練って塵になった"御社の好きなところ"がたくさん詰まっている。それをいかにアピールするか。ここで全力を出さなければ夢見る未来はないと信じ切りながら。
そんなわけないのに。御社だって、そんなに好きでもないし、よく知らないのに。
まるで神様を信じる信者のように"御社"を仰ぎ見ながら。
こうして社畜が増えていく
新卒採用は宗教だ。
"御社"をいかに神として扱う学生を取るか、ということに企業も躍起となっている。
「志望動機から文章力や論理的思考力をみる」なんて、もっともらしいことを言いながら、多くの学生に「そうではない」という烙印を"お祈りメール"で押していく。
そんなはずないのに。
"新卒採用"に不安になっている学生はいるだろうか。もしいるのなら、どうかこの屑の話を聞いてほしい。
別に"新卒採用"で入った会社に一生いる必要はない。
駄目ならやめて、別の企業へ入ればいい。転職だって、いまや当たり前の時代だし、人によっては最初からフリーランスを目指す人がいる。
大切なのは『いかにして企業へ入社するか』ではなく『いかにして人生を充実させるか』である。
老いぼれの戯言だと思って、どうか心のどこかにおさめてほしい。