私は雑兵

社内ニートが自律神経と戦っています。

【仕事/新卒】新卒のみなさん、世間は広いですよ

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会議室に移動するまでの間、派遣先の社員さんと会話をするのが楽しみである。

社員さんは年齢が完全に自分の父親と同世代である。若い人の中には年配の方と会話するのを避ける人もいるが、含蓄があり、経験を受け継ぐ意味では非常に有益である。

 

そうやって話していくうちに気付いたことがある。

どうやら私が新卒で入っていた会社はブラック企業だったようだ。

やだ、今頃気付いたの、私。

 

【目次】

 

ホワイト企業だと信じてやまない企業がブラック企業だった話

いや、ホント。新卒で入社した会社はホワイト企業だと思っていた。

 

福利厚生はきちんとしており、有給、代休という制度も備わっている。年に一回は社員旅行があり、フットサルなど課外活動も小さいながらにあった。飲み会を通じたコミュニケーションもあり、そうした飲み会の経費は会社から経費として落とされることも多く、先輩にはよくおごってもらったものだ。

 

しかし、書いていておもうが、これらすべてがホワイトであるとは言い切れないのである。

 

  • 福利厚生がしっかりしている → 当たり前
  • 有給、代休制度がある → 利用できるとはいっていない
  • 年に一回の社員旅行 → パワハラの温床
  • フットサルなどの課外活動 → プライベートの浪費
  • 飲み会を通じたコミュニケーション → アルハラの温床

 

まあ、見てわかる通り、言い換えればなんとやら。日本語とは非常に便利な言語でして。

私がホワイトで素晴らしいと崇拝していたこれらの内容は、ぶっちゃけそこまで価値があったのだろうかと今では疑問に感じている。

 

ではそもそも、なぜホワイトだと勘違いしたのか

では、なぜホワイトだと勘違いしたのか。

 

第一に、私が就職活動をした時期が『就職氷河期』であったことがあげられる。

つまり買い手市場であり、企業は新卒を選り好みできる時代だったのだ。そのため「企業にとっていい奴にならなければ明日はない」という実体のない蜃気楼みたいな概念を信じ切っていたということだ。

内定を吟味して複数の企業を比べることができない状況では、自ら進んだ道を正義だと信じるほかないのである。この企業をリストラされれば次はなく、自分は無職、ニートへまっさかさまと信じて疑わなかったのだ。

 

第二に、世間を知らな過ぎであったことがあげられよう。すなわち、無知ということだ。

まず、リストラというのはそう容易に行えるものではない。次に、若ければある程度転職が可能である。最後に世の中には労働基準法とよばれる法律が存在し、それは社則よりも当然強い権力を持っているということだ。これらのことを知らない無知な私は目の前で行われているブラック企業的内容がブラック企業的であると判断できなかったのである。

例えば、朝7時に出社すれば、当然早朝手当が出るはずだが、勤怠入力のシステムは9時からしか入力できなくなっていた。上層部に確認したところ「9時から出社したことにしておいて」と言われた。どう見ても不当なデータ操作である。同じように徹夜した際も、23時以降は入力できなくなっており「ほかの日に残業したことにしておいて」とされたこともある。しかし、私は労働基準法や早朝・深夜手当を知らなかったため、馬鹿正直にシステムへ入力するほかなかったのだ。

 

これはアカン。

 

新卒のみなさん、世間は広いですよ

話は変わるが、大学生のころ、一つ上の先輩から「鳥の目、虫の目」という話を聞いた。

ようするに「詳細に見なければいけいないときと、全体を見て判断しなければいけない時期があり、それらを上手に使い分けることこそが真に必要なスキルである」みたいな話だが、新卒の人にはこの「鳥の目」が難しい。

まず社会経験がないのだ。社会というものをこれから知ろうという真っ白な人に対して、他の人はまるでその方法を伝授してくれない。目の前にあるのが黒なのか白なのか自分で判断しなければならないのだ。

 

そんな荒波にもまれる予定の新卒に言えることは一つ。

「新卒のみなさん、世間は広いですよ」

働き方は選ぶ時代だ。自分が評価されなかったり、精神的や身体的に疲れてしまった場合は転職するという選択もあることを一つ、頭に置いておいてほしい。

 

どうか、学業を身に着けた新卒たちがゾンビとならないことを心より願っている。